営業マン支援の専門家 きりうひろき
■このシリーズは新人営業マンの教育現場に立つ講師が
実際に寄せられた「質問」や「悩み相談」の中で、とりわけ多いものを編集・加工の上、質疑応答形式で載せているものです。
・教育担当者の方は新人の営業マン教育にお役立ていただければ幸いです。
・新人の方は、「あぁ、なるほどね。」と思っていただければ嬉しいです。
評価してくれない上司に不満
●質問
鬼頭さん(仮名)
・14年新卒入社(鉄鋼エンジニアリング)営業
今の会社に入社しました。ところが、入社1年目にして、コミュニケーション力があると営業に回されました。
営業も楽しいので、自分でいうのも変ですが、たくさん、仕事をとってきています。
2年連続、支店で1位の成績で、4年以上、平均以上数字を出しています。
ここからが相談なのですが、いっこうに昇格できずに、なぜだ?という気持ちになっています。
他の支店では、僕よりも成績が低い人が主任に、昇格しているのに、なぜ自分だけ・・・
正直、今の上司に恵まれていないような気がします。
よくよく見ていると、うちの会社では、上司に気に入られれば出世できてしまうという、変なルールが存在します。
私は、転職した方がいいのか。
このまま評価してくれない上司の下にいるべきなのか、
何かアドバイスをいただければ幸いです。
●回答
上司の評価軸を見ているかがカギ。
■ご質問ありがとうございます。
これも良くある質問の代表例のようなものですね。
サラリーマンの転職理由のほとんどが上司への不満というだけあって、結果を出しているのにも関わらず、評価されていないと感じるのですね。
私もそのように思っていた時期がありましたので、痛いほど悔しい気持ち、わかります。
■少しきつい言い方になってしまいますが、
鬼頭さんのためでもありますので、きれいごと抜きでハッキリいいます。
お察しのとおり、世の中は、実力が公平に評価されないことがざらにあります。
私も会社が定める指標において、全て平均以上の成績を残しても、昇格できない時期がありました。
悔しいのですが、人が人を評価する以上、客観的な数字以上に、その上司の評価で、判断がなされることが多いのです。
■余談ですが、会社として明確な指標がなく、
上司一人一人に評価基準を任せたフワフワした会社というのは、退職率も高い傾向にあります。
鬼頭さんのように、「成果を出しているのに納得できん。」といって転職する人が多いです。
そういう人は優秀な人が多いので、その人にとってはともかく。会社にとっては大きな損失ですね。
だから、あくまでも個人的な意見ですが、上司だけの評価制度というのは偏りがあるので、あまり企業にとってもいいものだとは思えないです。
■私から1つアドバイスができるとしたらいうこと
仮に転職するにしても、しっかりとその上司の評価軸を見極めたのか?ということをお聞きしたい。
上司も人間です。上司があなたの人事権を握っている以上、あなたを出世させるも、降格させるも、上司。
とすれば、上司が何を評価するのか?
ここを見極めない限り、あなたはどこにいっても苦労します。
そもそも、会社として明確な評価軸を持ち、上司は指導教育のみ。評価はあくまでも会社がします。
という会社の方が少ないのです。
一流のサラリーマンほど、上司の不平不満をいわずに、たんたんと上司が何を評価するかを見ています。
■では、上司の評価軸を見極めるには
どんな方法があるのでしょうか?
簡単です。
上司の武勇伝や、自慢話を聞いてください。
それが、確実に、上司の評価軸です。
自慢するということは、その人が誇りに思っていることです。
つまり、それと同じ行動をとれれば、確実に評価されます。
鬼頭さんの上司は、おそらく数字以上に重視している観点や、基準があるはず。
営業力に優れた鬼頭さんであれば、見極めることができるはず。
転職するのはその後でも遅くないのではないかと思います。
まとめます。
・上司に評価されるのは、上司の評価軸にそっている人。
・評価軸の見極め方は、上司の武勇伝や、自慢話を聞くこと。
残念ですが、上司の不満をいっても、何も始まりません。
いい機会と思い、自分が一歩踏み出しましょう。
応援しています。
今日も新卒の営業マンにエールを。