最近、“脳をメンテナンスしてパフォーマンスを維持する為に「計画的に眠る」”アクティブスリープという考え方が出てきました。
脳の疲労をとり、記憶の整理をする「睡眠」について正しい知識を学び、今日から実践しましょう。
1.睡眠の質を高めるためのコツ
【朝、気をつけたいこと】
日の光を見ることで、メラトニン(入眠を促すホルモン)の分泌が減り、目が覚める。
人間の体内にある時計は24時間ではないため、日の光により毎朝リセットする必要がある。
メラトニンの分泌が止まる光の強さは、1000~2500ルクス以上なので、窓から1m以内の場所で日光を浴びるとよい。
朝食により、末梢の器官にあるサブの体内時計がリセットされる。逆に夜遅くに食事をすると、体内時計が遅い時間にずれる。
脳は、朝の光を感知したら、その16時間後に眠くなる仕組みになっている(子供は14時間前後)。
例えば、休日に11時まで寝ていると、その日の夜眠くなるのは3時になるため、いつもと同じ時間にベッドに入っても寝付けない。
起床時間の差が3時間を超えると、メンタルに不調をきたす人が多くなるため、まずは起床時間の差を3時間以内にするとよい。
【昼間~夕方、気をつけたいこと】
カフェインは、摂取後約30分で、覚醒作用が働く。仮眠から目覚める頃にカフェインが作用し、スッキリ目覚め、午後の眠気解消に役立つ。
人間の脳は、目覚めている限り睡眠物質が溜まる。そして睡眠物質が溜まる程、睡眠が深まる。
本睡眠(本格的に寝る時間)の前の昼寝や、帰宅途中または夕食後のウトウトにより、深い眠りが得られなくなる。
少なくとも、15~22時までの7時間程度は連続覚醒時間を作る必要がある。(6時起床の場合)
カフェインの覚醒作用は摂取後約30分で現れ、4~5時間継続する。
【夜、気をつけたいこと】
人間は、深部体温が急降下するタイミングで入眠すると、眠りが深まる。就寝1時間前までの入浴は、深い眠りを助ける。
就寝前1時間以内に熱いお湯に入ると、深部体温が下がらないまま就寝することになり、深い眠りが得られない。
就寝直前の食事は、消化器官を活発化させ、睡眠を妨害する。
アルコールは寝つきをよくするが、睡眠の質を下げる。また、慣れが生じるため飲酒量増加のもとになる。
ニコチンには覚醒作用がある。
【寝るとき、気をつけたいこと】
ベッドの上で寝付けずに考え事をすると「ベッド=考え事をする場所」と記憶されてしまう。
また、寝付けない体験をすると、その晩は早くベッドに入ろうとするため、眠くない時間にベッドに入ることになり、また眠れない時間を過ごしてしまう。
★睡眠効率=実際に寝た時間÷寝床にいた時間×100
ベッドの上で眠っていない時間が長いほど、睡眠の質が悪い。睡眠の合格ラインは、睡眠効率≧85%。
脳は、場所と行動をセットで記憶する。
例えば、ベッドで読書をすると、次にベッドに入ったとき、脳の読字機能が自然と活発に働くようになり、眠りにつきにくくなる。
青色に近い照明を浴びると、メラトニン(入眠を促すホルモン)の分泌が減るため、寝る前に過ごす部屋は、赤色に近い光がよい。
青色に近い光のリビングで3時間ほど過ごすと、分泌されるはずのメラトニンは50%減ってしまう。※LEDは全て青色に分類される。
起床時間の3時間前から、血圧や血糖を上昇させるホルモン(コルチゾール)が分泌され、起きる準備が始まる。
コルチゾールは言語に依存するため、「6時に起きる」と3回唱えて起床時間を言語化すると、その時間の3時間前から分泌されるようになる。
すなわち、夜中に目が覚めた時に時計を見てしまい、「○時だ」と言語化してしまうと同じ時間に目が覚めるようになってしまう。