注意力・集中力をUPする「マインドフルネス」

今回は、仕事の効率に影響を与える、「集中力」をアップさせる方法=マインドフルネスについてご紹介します。

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注意力が低下していませんか?

あなたは最近、「大切なことに集中できていない」と感じたことはありませんか?
ここであなたの状況をチェックしてみましょう。次の項目の中で、あてはまるものがありますか?

  • その時の感情を後になって気づくことがある。
  • 不注意や考え事が原因でものを壊したりこぼしたりすることがある。
  • 今の状況に集中できないと思うことがある。
  • 過程を重視せず、目標にたどり着くために急ぎがちである。
  • 本当に気になるまで、身体的な緊張や身体の違和感に気づかないことがある。
  • 初めて聞く人の名前をすぐに忘れがちである。
  • 自分のしていることをそれほど意識せずに自動的に動いているように感じることがある。
  • きちんと注意を払わず急いで活動しがちである。
  • 到達したい目標に目が向いているので、まさに今そのためにしていることは自分にとって重要でない。
  • 自分のしていることを意識せずに機械的に仕事や作業をしている。
  • 気がつくと、何かをしながら同時に他人の会話に聞き耳を立てている。
  • 何も考えずにどこかに向かっていて後からなぜそこに向かったのか不思議に思うことがある。
  • 気がつくと未来や過去のことで頭がいっぱいになっている。
  • 気がつくと注意を払わずに物事に取り組んでいる。
  • 気がついたら無意識におやつを食べていることがある。

「Mindfulness Attentio Awareness Scale; MAASJBron&Ryan(2003)」
日本語訳(宇佐美・田上,2012)より引用

これは、マインドフルネスを測定するScaleのひとつで、特に「注意力」と「気付き」に着目して質問しています。
上記にあてはまるものが多く、かつ、「いつもそうだ」という方は、マインドフルではない状態(マインドレスネス)で、注意力が低下している可能性があります。

私たちの脳には、生きるための機能を備えた原始脳の部分(大脳辺縁系)と、人間として進化した脳の部分(大脳新皮質)があり、生命維持と、理性的な行動や思考、社会性を維持する機能を持っています。
これらの機能は、社会の急速な発展に伴う大量の情報量に合せて変化させていくことはできません。
一方で、カリフォルニア大学バークレー校の調査によると、2002~2004年までの2年間に蓄積された人類の情報量は、それ以前の人類における情報の総量を上回るそうです。私たちの脳に入ってくる情報量は、人類がこれまで経験したことのない量であり、今後も大量の情報刺激を受け続けます。
そのため、定期的に脳を休めることを努めて行わなければ、脳疲労による注意力散漫とそれに伴う能率低下、不眠やメンタル不調が起こりやすいといえます。

では、脳を休めるためにはどうしたらよいのでしょうか。
脳の疲労を取る唯一の方法は睡眠です。
他に脳を休ませる方法として、最近流行しているマインドフルネスがあります。

マインドフルネスとは

マインドフルネスは、「今、この瞬間の自分に向き合う状態」のことで、定期的に脳をマインドフルネス状態にすることによって、注意力、集中力が向上します。
実践方法の一つとして「瞑想」があります。
「瞑想」と聞くと、スピリチュアルな感じがしますが、ビジネスの現場で推奨されるマインドフルネス瞑想は、宗教的要素を排除したメソッドです。
自分の呼吸に意識を向け、注意力の訓練を行います。慣れない間は、注意力が逸れることもありますが、それを否定せず、注意力が逸れた自分を認識することからはじめます。具体的には下記のような方法です。

マインドフルになる方法
  1. 背筋を伸ばした安定した姿勢で座り、両手を太ももの上に置くか、掌を上にして体の前で重ねる。
  2. 視線を落とすか、目を閉じる(どちらでも可)。
  3. 自分の呼吸に注意を払い、身体全体をめぐる呼吸の動きを追う。
  4. 空気が鼻や口を出入りする際の腹部当たりの感覚を意識する。
  5. 呼吸の影響を受ける身体の部分を1つ選び、注意をそこに集中する。呼吸そのものではなく、集中をコントロールする。
  6. 注意がそれるのに気づいたら(そうなるのが普通)、注意を自分の呼吸へと戻す。
  7. 5~10分後、注意集中からモニタリングに切り替える。自分の心を大空とみなし、思考と感情、感覚を流れる雲とみなす。
  8. 呼吸とともに全身の動きを感じる。自分の感覚を受け止め、いま起きていることに気をつけ、体験の質の変化に注意を払う。音、匂い、そよ風・・・・。
  9. 約5分後、視線を上げるか目を開く。

スコット・ロジャース氏のマイアミ大学マインドフルネス研究・実践イニシアティブのプログラム・トレーニング・ディレクターより引用

ここ数年、世界中で「瞑想の効果」について科学的調査が行われ、「瞑想」は、脳の特定の部分(図①)に影響を与えるという結果が出ました。
そのため世界中の大手企業がマインドフルネスのための瞑想を導入するようになりました。

図① 瞑想の効果で脳が大きくなる
瞑想の効果で脳が大きくなる

まとめ

自分の脳を落ち着かせ、注意力・集中力を向上させるために、マインドフルネス瞑想を体験してみてはいかがでしょうか。
集中して、仕事に取組み、自分ブランドの価値を向上させましょう。

参考・引用文献

  • マインドフルリーダーシップインスティテュート監修、「世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方」
  • 井上裕美、「マインドフルネスの測定・気分障害に対する第三世代認知行動療法」、同志社政策科学研究2014
  • 藤野正寛他、「日本語版MAASの開発および項目反応理論による検討」、パーソナリティ研究2015
  • Jochen Reb、 Paul W. B. Atkins、Mindfulness in Organizaitions:Foundations,Research,and Applications
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