■営業マンの中には、たまに、
その年だけ爆発的な、売り上げ、契約件数を記録してTOPに食い込み、次年度がガタ落ち。
という営業マンもいる。
もちろん、その年の本人の営業努力を否定しない。
否定はしないが、一時期だけTOPになり、次年度は「スカスカ」という営業マンは、「市場動向」や「運」が作用しているというケースがほとんどだ。
運や、市場、景気に左右される営業マンは、長く続かない。
■昔、食品の卸売り会社に勤めているときに、
私の上司でこんな人がいた。
仮にAさんとしよう。
とにかく偉そうで、会社や、同僚の悪口ばかり、モチベーションも低い、かつ営業成績もうだつあがらない。
そして、プライドや、上司への折衝能力だけは秀でており、そのAさんの上司も、なんだかAさんにだけは、ハッキリものを言い辛そうにしていた。
こんな人には絶対なりたくないと思わせる、
全く尊敬に値しない上司だった。(申し訳ないが)
■そのAさんが、かつてないチャンスに見舞われた。
既存先の市場が上向き、とてつもない数の受注を得たのだ。
当然、Aさんはその時期のTOP集団に食い込んだ。
ところが、残念なことに次年度はビリになってしまった。
頭もよい。ミスも少ない。
だが、動かない。
動かないので、成績があがるわけがない。
普通なら、上司から責められ、まずい状況になるのだが、頭が良い分、言い訳がうまく、
「事務員のフォローに入っている」
「○○がああだから、俺のせいではない」
と、言い訳の限りをつくし、批判をかわすことがとにかくうまかった。
■皆さんお気づきであろうが、
このAさんは、一応役職はついていたが、それ以上に上にいくことはなかった。
おそらくこれからもない。
つまり、この先にあるのは、停滞か、降格だけなのだ。
なんとつまらないビジネスキャリアだろう。
■なまじ、言い訳がうまいと、上司も攻めづらく、
結局、Aさんだけ、売上が低いので、人事異動のタイミングなどで前任が空いた既存先などを任されていた。
反対に、営業力に優れる、優秀な営業マンは既存を持ちながら、新規開拓を任されていた。
Aさんは気づいていなかったが、これは、言い方を変えると、飼い殺しだ。
当時のAさんの上司というのは、かなり保守的な人だったので、
Aさんだけ、売上があがらないと当然、その更に上の部長クラスから攻められる。
「お前はAに指導をしているのか?」
と。
「指導できていない」
という事実を隠すため、
極力、既存や棚ボタのような新規先をAさんに回すことで、上からの指導力不足という評価を避けようとしている。
■もし、あなたが新規を攻めないことを叱責されず、
空いた既存ばかり押し付けられたら、それはあなたの営業力には期待していませんよ。
というサインであることに気づいたほうがいい。
このおめでたい、Aさんのように喜んではいけない。
これは、明確にまずいサインであり、気づかないぐらいゆっくりしたペースで破滅に向かっていると思ったほうがいい。
■言い訳がうまいと自分を守れるような印象を受けるが、
実は、時間をかけて自分を殺す行為なのだ。
言い訳をして上司の批判をかわす前に、素直に自分の非をみとめ、頭をさげることを覚えよう。
これは、営業というより、人間としてのたしなみだ。
みなさんは、このAさんのように、最低な営業マンにはなってはいけない。
もっと誇りをもって、キャリアを歩んでほしい。
今日も新卒の営業マンにエールを。