営業マン支援の専門家 きりうひろき
■このシリーズは新人営業マンの教育現場に立つ講師が
実際に寄せられた「質問」や「悩み相談」の中で、とりわけ多いものを編集・加工の上、質疑応答形式で載せているものです。
・教育担当者の方は新人の営業マン教育にお役立ていただければ幸いです。
・新人の方は、「あぁ、なるほどね。」と思っていただければ嬉しいです。
お局さん対策
●質問
橋本さん(仮名)
・13年新卒入社(半導体業界)営業
(こんな表現しているとバレたら、ぶっ飛ばされますが。)
この業界は、細かい書類のやりとりが多く、営業活動において、そのお局さんと必ず、関わらなくてはいけません。
正直、腫物を触るような感覚で、毎日会話しており、気疲れを起こしてしまいます。
何か有効な方法があれば教えてください。
●回答
お局さんは、寂しがり屋が多い。
■はい、橋本さん、お待たせしました。
前回の続きです。
前回はお局さん対策の師匠の話を、橋本さんにさせていただきましたね。
ところで、お局さんってどんな人?
と思う方は前回の記事をご覧頂けると幸いです。
■一応前回も紹介しましたが、
以下、師匠のトーク術をお伝えします。
●●さん=某お局さん
「●●さん?あぁ、この間は本当にありがとうね。おかげで助かったよ。やっぱ●●さんは頼りなるよね~。ところでさ、●●さんにしかお願いできないんだけど、××、なんとか通してもらえない?本当に困っていて、あなたにしか頼めないのよ~」
■調子のいい人だなぁと思う人もいるでしょうが、
このお局さんには効果があり、その後、幾度となく師匠は鉄壁とされるお局バリアをかいくぐることに成功し続けました。
これは、偶然ではありません。
なぜかというと、師匠のトークを分析すると、心理学的に実に理にかなっていることがわかるからです。
- 1)まず、名前を連呼していますよね。これは、相手を認めているという明確なサインです。
- 2)そして、最初にまず、前回やってもらったことに対してしっかりお礼を言っています。これも相手への敬意を表します。
- 3)極めつけは、あなたにしか頼めない。と、完全に相手のスキルを認めて救いを求めています。救いを求められると、人間は助けたくなるものです。
1)~3)に共通するのは、一環して、相手を認めているということです。
師匠は知ってか知らずか、これでもか!というぐらい、承認欲求を満たしています。
■ではなぜ、承認欲求を満たすことがいいのか?
橋本さんにお伝えしたいことはただ1つ。
お局さんも人間です。寂しいのです。span>
このような方は、みんなに腫物のような扱いを受けています。
橋本さんの質問のように、できるだけ関わりたくない。
と、思われています。
だから、みんな話を手短にして、なるべく距離をおこうとします。
「私だって、頑張ってるのに。」
「私の実力のおかげで、どんだけ助かってると思ってんのよ」
お局さんはいつもこんなことを思っています。
寂しいですよね。
■だから、自分を認めてくれる存在に対しては優しくしようとするのです。
ある意味、自分の存在意義を示してくれる存在だからです。
■ところで、この師匠のトークの
1)~3)を外すとどうなるのでしょうかね。
「ところでさ、××、なんとか通してもらえない?」
うーん、実に素っ気ない。
こんなこと言われたらお局さんではなくても「は?」ってなっちゃいますよね。(笑)
■前回の記事でもお伝えしましたが、
お局さんとうまく付き合う方法をまとめると、
「感謝」と「相手のスキルに対する敬意」
あまり小難しいことはいいません。
ようするに、相手を褒めてありがとうというのです。
お局さんはなまじ仕事ができる分、味方につけると心強いです。
お局は、活かすも殺すも営業次第。
ここを抑えてくれると嬉しいです。
今日も新卒の営業マンにエールを。