
営業マン支援の専門家 きりうひろき
■このシリーズは新人営業マンの教育現場に立つ講師が
実際に寄せられた「質問」や「悩み相談」の中で、とりわけ多いものを編集・加工の上、質疑応答形式で載せているものです。
・教育担当者の方は新人教育にお役立ていただければ幸いです。
・新人の方は、あぁなるほどね。と思っていただければ嬉しいです。
パワハラ上司への対応
●質問
高橋さん(仮名)
・16年新卒入社(広告代理店)営業職
とにかく高圧的な人で困っています。この間も同行に行った際に車の中で怒鳴られました。普通に言ってくれればいいのに、恐くて聞きたいことも聞けません。
社内でも、メンバーにかなり不満がたまっているようで、皆その上司への対応に苦慮している様子です。どのように対処すべきでしょうか?」
●回答
嫌われている人にあえて近づいてみる。
■ご質問ありがとうございます。
私も以前、勤めていた会社でそのような上司がいたので、気持ちがわかります。
関わりたくない。でも関わらないと仕事は進まないし、そうなったらもっと迷惑をかけてしまう。。
まさに「前門の虎、後門の狼」といった具合でどちらに転んでも痛い。ということですよね。
この手の内容は本当に良く聞く話です。
■今回の件、とれる選択肢としては、3つあります。
2)メンバーと共に、その上司に直接、「困っているので辞めてください。」とお願いをする。
3)1,2が難しい。あるいは効果が薄いとなった場合は、上司に逆に近づいてみて、アドバイスをもらうようにする。
■3)に関しては(?)疑問符が付くでしょうから、
解説します。
前述したとおり、私も同じような上司に当たったことがあります。
メンバーも嫌っているので、誰も近づかない。
結果として、社内では孤独に陥っていました。
ただ私は、その上司の良いところを知っていました。
・誰でも納得させてしまう、営業力
・専門家に匹敵する商品知識
これは、社内でもダンドツで、だから、会社から評価されたんでしょう。
確かにめちゃくちゃな上司でしたが、個人的には、尊敬していました。
■ある日、私は提案資料をつくっていたのですが、
なかなか説得力のあるトークが浮かびませんでした。
そこで勇気を振り絞って、不機嫌そうに仕事をするその上司にむかって
・「この製品はどんな説明するといいでしょうか?」
・「この商品はどんなところがポイントですか?」
と、質問をしてみました。
心臓がドキドキというレベルではないです。
バクバクいっていました。
すると何が起こったのか?
■不機嫌そうに仕事をしていた上司が
水を得た魚のごとく、目を輝かせてアドバイスをくれました。
私は必至に、メモを取りました。
そして、実際にアドバイス通りに顧客に説明すると、しっかりと受注に結び付きました。
(嫌われているけど、こんなに凄い人だったんだ)
心の底からおもいました。
■それから、私はことあるごとに
その上司に、アドバイスをもとめるようになりました。
毎回上司は懇切丁寧に、教えてくれました。
当然、私は急速に商品知識がついていき、営業成績にもヒットしました。
■これは、今振り返ってわかったのですが、
その上司も寂しかったんです。
「誰もオレ様の良さをわかってねーな。」
まさに、乾いていたのです。
■そこに、自分の得意分野である、「営業×製品知識」を
聞いてくれる、20代の若僧がノコノコと近づいてきた。
「よくぞ聞いてくれた!!」
とばかりに、実に楽しそうに教えてくれました。
気に入られたい。取り入りたい。
と思っていたわけではなく、ただ困っていたから相談したのですが、それがたまたま、上司の一番得意分野だったということです。
そのあとの、私とその上司との関係性がどうなったか?
それは、ご想像にお任せします。
■高橋さんにお伝えしたいのは、
その上司の自慢話や、得意分野を良く観察してほしい。
ということ。
もっというと、その点に関してアドバイスを求めてみてください。
その人は大いに喜び、喜んで協力してくれるようになります。
結果、あなたへの態度が180°変わるかもしれません。
ぜひ、お試しください。
苦手であっても得意分野を持つ上司にアドバイスを乞うことで自分自身の能力を高めることもできます。自分ブランドを高めましょう。
応援しています。ありがとうございます。
今日も新卒の営業マンにエールを。