営業マン支援の専門家 きりうひろき
■このシリーズは新人営業マンの教育現場に立つ講師が
実際に寄せられた「質問」や「悩み相談」の中で、とりわけ多いものを編集・加工の上、質疑応答形式で載せているものです。
・教育担当者の方は新人の営業マン教育にお役立ていただければ幸いです。
・新人の方は、「あぁ、なるほどね。」と思っていただければ嬉しいです。
アポ電の門番を突破する方法。
●質問
宮下さん(仮名)
・17年新卒入社(販売代理店)営業
成功率は、50件、4,5件ほど。
入社して間もないのですが、最初は50件しても1,2件でしたので大分成功率があがってきました。
最近課題として気づいたのですが、どうも、アポ電をすると最初に(多分)事務員の女性が出ることが多く、肝心のキーマンにたどり着けません。
ここをうまく突破することできれば、更に成功率も上がってくると思います。
何か良い方法などありましたら、アドバイスをお願いします。
●回答
この電話を切るとマズそうと、思わせるのです。
■宮下さん、ご質問ありがとうございます。
営業マンの悩みの中でも、このアポ電ほど苦労が多いものはない。
というぐらい、多くの営業の方が苦労されています。
私から、とっておきの方法をお伝えしますので、ぜひ、お試しいただければ嬉しいです。
■そもそも、なぜ事務員の女性がつなげないのか?
ここにヒントが隠されています。
人間だれしも、人に迷惑をかけたくないし、怒られたくない。
それなのに、聞いたこともない。顔も知らない。
そんな人を「権限者」まで通す理由はないのですよね。
■何者かわからない人を
安易に上司につないでしまうと、
「なんで電話通したんだよ?こっちは忙しいんだぞ。」
なんてクレームをつける上司だっているわけです。
ここで、事務員としては何も言い返せないわけです。
■そりゃそうです。
良く考えてみてください。
会社に関係ない人をズカズカとオフィスの中まで入れる人なんていないですよね。
電話とはいえ、権限者まで電話をつなぐというのはそれに似た行為なのです。
■結局何がいいたいの?
ということなのですが、
関係のない人はダメだけど、逆に関係性がアピールできればつながる可能性が高くなる。
ということをお伝えしたいのです。
そのためには、この電話を切ったら
「なんかマズそう。」
という雰囲気をにおわせるのが重要です。
■具体的にいうと、
以下のワードを使ってください。
「〇〇業界で特に実績がありますので、業界の関係者として、実績紹介にうかがいたい。」
と、このように話をしてください。
この「関係者。」「実績紹介。」
この2つの言葉はききますよ。
■一瞬のことなので事務員の人はあわてます。
この電話をつなぐべきか?どうしよう。と。
冷静な事務員ならそれでも死守しますが、世の中、そんな人ばかりじゃない。
とりあえず、関係者なら通してしまおうか。
と、なるのです。
私の経験値でざっくりいうと、この文言を入れるときそうではないときで事務員突破率は2倍になります。
■そして決裁者につながった後も、
「10分ほどでいいので、業界関係者として実績紹介~」
の文言を忘れずに入れてください。
相手も「10分なら、まぁいいか」となります。
実際は10分以上話をしても、実際のところ文句は言われません。
■そんなのあり?
って思う人もいるでしょうが、
サッカーで勝つためのマリーシア(ずる賢しさ)と同じで、営業という戦場で勝つための戦術なのです。
(嘘をいっているわけでもないし。)
■今年の天皇杯の決勝で、
鹿島アントラーズの小笠原選手が川崎フロンターレの中村選手にボールをぶつけられ、怒って詰め寄る。
なんて、場面もありましたが、試合終了後、「怒っていたわけではない。」と本人が暴露しています。
主将の戦う姿勢が結果としてチームの志気をあげ、優勝を勝ち取りました。
サッカー用語でいうところのマリーシア(ずる賢しさ)です。
これで19冠目らしいです。
ここまでして勝ちに行く。常勝軍団といわれる所以ですね。
勝てば官軍負ければ賊軍です。
迷わず、お試しください。
営業マンは、お客様に貢献するために、アポを取っている。
この自負をわすれてはいけません。
今日も新卒の営業マンにエールを。