
営業マン支援の専門家 きりうひろき
■前回は、納期を送れた相手に対する
「催促メール」のNG事例をご紹介した。
今回はその反対で、好例といえるような催促メールの書き方についてお伝えする。
前回の記事でも述べたとおり、たとえこちらが悪くなくて、正しかったとしても、偉そうな態度をとっては絶対にいけない。
なぜなら、それをすることで社内、社外問わず、敵を量産することになるからだ。
決してきれいごとで言っているのではなく、自分の首を絞めるからいうのだ。
■今回もやはり、例を出した方がいいので、
前回のNG例と比較のために、2つの例をご紹介する。
■よくある例。(納期遅延をおこした、社内の人に対して)
お疲れ様です。〇〇課の佐藤です。
〇〇の件、昨日が納期です。
状況はいかがでしょうか?
ほかの部署にも迷惑がかかりますので、
早急にご連絡をください。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
■このメールは一番多いパターンだ。
NG事例に比べ、少々気にくわないまでも、「怒るのは良くない」
と理解して自分の感情を抑えている。
「早くしろ!」ではなく
「状況はいかが?」
という確認に変えているので、前回と比べるまでもなく、表現が柔らかくなった。
ただ、やはり角が立たないか?
と聞かれれば、10人いれば、2,3人は
「言い方が冷たい。」「なんか嫌な感じ。」
と答えてしまうだろう。
■ここで、
(いやこちらが悪くないのだから、そこまで気を使う必要があるのか?)
と思われた方がいたら、その人はアマチュアだ。
目的を達成するためには、相手が積極的に協力したくなるような、
「本当に悪いことしちゃったなぁ。」と思わせるような催促メールを作ることが、ビジネスマンとして決定的に重要である。
それでは、催促メールをしながらも、相手の反感をもたせないメールの例を以下にご紹介する。
■好例。(納期遅延をおこした、社内の人に対して)
お疲れ様です。〇〇課の佐藤です。
既にご連絡いただいていたら申し訳ありませんが、
〇〇の件、その後進捗はいかがでしょうか?
なんらかのエラーでこちらに回答が届いていないケースも
考えられるため、念のためご連絡をさせていただきました。
他部署への連絡もしないといけないため、
少々困っておりましたので、ご多用かと存じますが、
明日まで回答を頂けると幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
■このメールのポイントは
なんといっても、相手に逃げ道を用意している点につきる。仮に私がこのような「催促メール」をもらうと、以下のような感情になる。
「既にご連絡いただいていたら申し訳ありませんが、」
→「いやいや、こちらの抜けです。ごめんなさい。。。。」
「なんらかのエラーでこちらに回答が届いていないケースも考えられるため、」
→いやいや、そんなことありません。
私が出していなかっただけです。
「他部署への連絡もしないといけないため、少々困っておりました」
→ご迷惑をかけてしまって、申し訳ないです。
すぐに取り掛かります。
■私の感情は少々大げさに見えるかもしれないが、
少なくてもこちらへの気遣いに、
反感どころか、申し訳ない。という気持ちすら覚えるだろう。
相手を罵倒しても、気を使っても、「催促をする」という目的からは決してそれない。
であれば、相手の立場や、感情を察してこちらが悪くなくても、一段下から諭すこと。
これが、できれば、あなたは敵を作らず、催促することができる。
邪魔をするヒマな連中からも目を付けられずにすむので、損はしない。
新卒のビジネスマンはぜひ、この点をおさえて、無駄な敵を作らないでほしい。
今日も新卒の営業マンにエールを。