営業マン支援の専門家 きりうひろき
■前回は、見やすいメールの作成方法を解説した。
今回は営業マン必見の、アポイントをとるためのメール作成方法をご紹介する。
これも、つべこべ言わず、悪い例と、良い例を比較して解説をした方がずっとわかりやすいので、下記に掲載する。
■以下にまず、ダメな例を出す。
はじめてご連絡をさせていただきます。
〇〇商事の佐藤です。
貴社のHPを拝見して、興味がわきました。
当社は、オフィス機器の経費削減を手掛ける
コンサルティングファームとして、10年の歴史を誇ります。
(以下自社の説明が続く…………)
大変お忙しいとは存じますが、
一度訪問をさせていただきたいので、
日程調整をさせていただければ幸いです。
以上、よろしくお願いいたします。
■私がこのメールをもらっても、
まず返信はしないだろう。
なぜなら、不特定多数に送っているのがバレバレだからだ。
「興味がわきました。」
というのも非常に嘘っぽく見える。
数打てば当たるかもしれないが、それ以上に多くの信頼を失っていることに気づいていない。
こんなバカな営業マンには決してはなるまいと、反面教師として、私の決意を固くするだけだ。
■それでは、本来営業マンがアポを取りたいのなら
どのようなメールを送ればいいのか?
簡単だ。
上とは真逆のメールを作ればいい。
「貴社を理解しています。不特定多数に送っていませんよ。」
というメッセージを含め、人間味のある、あたたかみのあるメールにするのだ。
それでは以下に示そう。
■改善版
はじめてご連絡をさせていただきます。
〇〇商事の佐藤です。
貴社のHPを拝見して、貴社に興味がわきました。
具体的に申し上げますと、貴社の●●の事業に対して、
弊社の〇〇のサービスをご活用いただければ、年間で
100万円のコスト削減につながると考えられます。
(種類にもよりますが、導入コストは月5万円となります。)
その点につきまして、一度詳しく
お話をさせていただけませんでしょうか。
もし、訪問が可能な場合は、来週、再来週の
いずれかで希望をいたしますが、逆にご希望など
ございましたら遠慮なくお申し付けください。
ご多用のところ、恐れ入りますが、
一度、ご確認いただければ幸いです。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
■いかがだろうか?
このメールのポイントはいくつかあるが、一番決定的なのは、相手を調べたうえでメリットを提示している点につきる。
導入コストに対して、あきらかに先方に有利な条件を出している。
一度詳しく聞いてみようと思う人もいるだろう。
■もう1つ、こちらに訪問の意思があり、
日程候補を2者択一で質問をしている点も見逃せない。
面とむかって聞かれると、人間は無視できないように、メールでも多少の効果が期待できる。
そして、訪問がOKだった場合に、こちらの希望を伝えておけば話が早くなる。
これだけで、「数打てば当たる。」ではなく、「ピンポイント爆撃」が可能となる。
■メールは顔が見えない分、気楽に送れるツールでもある。
ただし、ビジネスの現場では、PCの画面を相手の顔におきかえ、失礼のない、そして事前準備をおこなってメールをしよう。
仮にアポが取れなくても、会社に傷を残すことは防げる。
今日も新卒の営業マンにエールを。