営業マン支援の専門家 きりうひろき
■このシリーズは入社3年目までの新社会人の退職防止、教育現場に立つ講師が
実際に寄せられた「質問」や「悩み相談」の中で、とりわけ多いものを編集・加工の上、質疑応答形式で載せているものです。
・教育担当者の方は新人の営業マン教育にお役立ていただければ幸いです。
・新人の方は、「あぁ、なるほどね。」と思っていただければ嬉しいです。
営業活動が、相手をだましているような気がする。
●質問
高橋さん
・17年新卒入社 法人営業・家具メーカー
そしてその相手先に出向き、別な話をしたら、
「おたく、詐欺かよ!」
と、相手先にどなりつけられました。
電話口で、そのメリットを確実に提供できるわけではないということは説明しているとはいえ、確かに、相手先のいっていることもわかる気がします。
自分がやっていることが果たして正しいのか?
この疑問とどう折り合えをつければいいのでしょうか?
なにかアドバイス頂きたいです。
■回答
気持ちはわかりますが、気にしてはいけません。
私も昔、似たような葛藤がありました。
技術者の人材派遣業の時の話。
うちの新卒を月額48万円で契約しませんか?と新規得意先に聞いたときに、「なぜおたくの新人に月額48万円も払わないといけない?バカか?おい。」
みたいな感じでとうとうとお説教されたことがあります。
「あぁ、この人には何を言っても無駄だな。」
といって、ひたすら話を聞いて引き上げました。
だけど結局ほかの企業をまわり、年間で、7人の契約をしました。
毎月、350万円が会社に振り込まれるようなりました。
■何がいいたいかというと、人はそれぞれ。
良い。という人がいれば、ダメ。という人もいる。
色んな人がいます。あなたが全員から好かれることはできない。
だけど、全員から嫌われることもできない。ということです。
ステーキが好きなのか、かつ丼が好きなのか、どっちも好きなのか。
こんなことで「ふふふ、ふざんなバカヤロー!」って怒る人もいれば、「君らひっかけうまいねぇ」なんて、いって逆にほめる社長もいるかもしれない。
その人がどんな人かまでは、皆さんがコントロールできることではないので、これは、外れだ。次いってみよう!といって、気にしないようにしましょう。
■とはいえ、その葛藤わかります。
特に正義感が強いと、どうなんだろ?と思いますよね。
私は営業をする際に、以下のように考えていました。
「詐欺」というのは相手からお金をだまし取ることです。
だけど、高橋さんたちが行っていることは「きっかけ作り」だけ。
お金を払うかどうかは、最終的に顧客判断です。
顧客がメリットを感じた際に、支払いが発生します。
ですので、詐欺という下賤なものとは違います。
■営業は誰のためにおこないますか?お客様のためですよね。
皆さんの話を聞かないと、本当はお客様の役に立つ情報を逃してしまうかもしれない。
だから、最初のとっかかりは上手い話で、とにかく、話を聞いてもらう。そのために、表現を変えているだけ。
それの何が悪いの?
ぐらいの気持ちをもってください。
■マクドナルドのハンバーガーの写真を見てください。
青々強い、噛めばシャキシャキっと音がしそうな、美味しそうなレタスが挟まっていますよね。
だけど、実際に買ってみてください。
実際は、しなびた、栄養が抜き取られたような白い葉っぱ。
大手企業でこれです。でもこれが世の中の現実なんです。
■これは雑誌業界の知人に聞いた話です。
北陸のW温泉に、Kで始まる旅館があります。
その旅館は、旅行代理店が選ぶ、36年間連続日本1の評価を得た有名な旅館です。
本当にそこが日本1なのか?
といわれるとよくよく考えないといけない。
旅行代理店が選ぶということは、旅行代理店に都合の良い旅館にきまっています。
・人をいっぱい押し込めて、売り上げがたって、クレームが来ない
この条件を満たした数少ない旅館がKなのです。
売り上げがたつということは、当然、旅行代理店にも紹介料として、いっぱいお金が流れます。
知人はいっていました。世の中金のために誇張され、何もしらない人はそれに、動かされている。
高橋さんは、動かされるほうではなく、動かす側にまわってください。それが世の中で生き残る知恵です。
今日も新卒の営業マンにエールを。